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今年3万ドル分のゴールドを購入した人物は、コストコの延べ棒とコインを「金投資の入門用商品」と呼んでいる。(海外)(BUSINESS INSIDER JAPAN)

ゴールド(金)が急騰し、4月29日に一時的に1オンスあたり3500ドルを突破した。コストコは、業界で最も低い利益率で数百万ドル相当の金塊とコインを販売している。今年、金に3万ドルを投資したあるトレーダーは、コストコの商品を「入門用」と表現した。
ゴールド(金)の価格が急騰し、2025年4月29日には一時的に1オンスあたり3500ドルを突破した。そんな中、コストコ(Costco)は再び、棚ぼた的な利益を得ようとする貴金属コレクターたちの間で注目の的となっている。ゴールドは経済の先行きが不確実な時期に上昇する傾向がある。現在のゴールド価格の上昇は、安全資産としてのゴールドへの関心と、米ドルの価値下落が同時に作用して起きている。

今年3万ドル(約435万円、1ドル=145円換算)相当のゴールドを購入したあるトレーダーは、Business Insiderはに対し、ゴールド価格の急上昇について貴金属業界で懸念が高まっていると述べた。

「私にとって、金は『これからどれだけ状況が悪化するか』を測る物差しのようなものだ」

この人物は身元の安全を懸念し、匿名を希望した。Business Insiderは、彼が最近コストコで購入したゴールドのレシートや、その他のゴールドに関する書類を確認している。

今年になって政治的・経済的な状況が不安定さが増す中、彼は初めてゴールドを買い始めたという。

ゴールドの延べ棒やコインをオンラインや一部の実店舗で販売しているコストコは、彼にとって「ゴールド投資への『ゲートウェイ(入門用)ドラッグ』だった」という。

コストコが何億ドル分ものゴールドの延べ棒やコインを、業界でも最も低い水準のマークアップ(原価に上乗せした利ざや)で販売していることは、もはや周知の事実だ。その上、市場の動き(価格変動)が、コストコの価格調整のペースをわずかに上回ることもある。

例えば、4月22日に発売された100グラムや1オンスの延べ棒は、スポット市場価格に非常に近い値段で販売された。それをコストコのエグゼクティブ会員が「コストコCiti」クレジットカードを使って購入すると、購入金額の約1〜2%相当のリワード(還元)さえ得られる可能性があった。

つまり、コストコは、会員がドルをゴールドに換えることで、実質的に現金を還元しているようなものだ(もちろん、個々の取引や年間取引には上限がある)。エグゼクティブ会員へのリワードは年間1250ドル(約18万1250円)までと上限が定められているが、同社のクレジットカードによる購入に対する還元には上限がない。

貴金属の販売は、コストコのeコマース事業における成長の主軸となっている。

同社は大量の金を仕入れ、会員に1オンスずつ販売することで、数億ドル規模の売上をCostco.comを通じて計上し、業績を押し上げている。

他社のクレジットカードによるプロモーションでは、より魅力的な特典が得られることもある。実際、10万ドル(約1430万円)以上のゴールドを購入したある「金の転売屋」も、それを裏付ける証言をしている。

ただし、コストコでの購入には注意点もある。まず、購入後の返品や価格調整は一切認められていない(購入後に価格が下落しても、返金や差額の払い戻しは行われない)。また、延べ棒やコインを即座に、かつ十分な利益を得られる価格で転売するのは、想像以上に困難だとする声もある。そのため、現金化が必要になった際に備え、信頼できる地元のディーラーとあらかじめ関係を築いておくことが推奨されている。

Business Insiderが取材したコレクターや専門家の多くは、いずれも投資家であり、いわゆる「転売目的」の購入者ではない。コストコでのゴールドの需要も、現在のところ安定した水準を保っている。
Dominick Reuter


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